雪上訓練合宿

雪上訓練合宿 ●山域：立山（富山県） ●日程：11月23日〜11月27日 3泊4日 移動日1日 ●メンバー：(3回生)PL柿島 段ノ上 小峠 (2回生)SL法蘓 長坂 野見 (1回生)岩田 武田 川瀬 ＊24日は監督も参加

1日目 富山駅から立山まで移動し、入山準備。新しく購入した装備を身につけた1回生はいよいよ雪の積もる山へ入ることに期待と緊張感で胸を高鳴らせていた。

まずはアイゼンの取り付けからで、1回生は早速手間取ってしまい、先輩方を待たせてしまっていた。

SLにビーコンのチェックをしてもらい、好天の下、出発。スキー板をザックに取り付け、クワガタをした状態でのザックアップは、とくに女子はきつくてちょっと泣きそうになりつつも先輩方に支えてもらい、なんとか頑張った。ピッケルの向きに常に注意し、慣れないアイゼン歩行が始まる。

ダウンになったとたんほっとする1回生。地図を見ている余裕は全くなかったが、先輩に声を掛けられ、ベアリングをしてわかりやすい沢や目的地を目視で確認することができた。

テン場についても、テント内に入るまでにテントの周りの雪かきをしたり、トイレを作ったり、飲み水のための雪を取りに行ったりしなければならず、1回生はしなければならないことがたくさんあることを学んだ。 次に、弱層テストのやり方を教えてもらった。積雪の中から角柱を切り出し、スコップで叩いて弱層を目視することが出来た。先輩方の手際の良さと角柱の美しさがやはり1回生とは違い、かっこよかった。

最後に、スキー板にシールをつけ、初シール歩行に出発。キックターンが結構難しく、1回生はスキー板を付けた足を上手くコントロールできないでいた。 テントに戻り、鍋の準備。とても疲れていてお腹も空いていたので温かい鍋を食べられるのが幸せだった。

2日目 まずは埋没者捜索訓練を行った。ゾンデ棒の使い方も教わり、タイムを測ってなるべく早く見つけられるよう訓練をしたが、先輩方の捜索の早さには1回生全員舌を巻いた。先輩方にだったらきっと助けてもらえそうだという安心感があり、1回生はまだまだ訓練が必要だと実感した。

次に、斜面を使って滑落停止の訓練を行なった。身体やピッケルの使い方を意識して練習することが出来た。

そのあと、先輩方から様々な支点構築の方法やfixロープの先頭の人と最後尾の人がする作業を教わった。パーティーの皆の生命に関わることなので皆、真剣に取り組んだ。実践することで体で覚えることが出来た。

ボラードをつくって懸垂下降を行なった。懸垂下降は1人ずつしか降りられない為、時間がかかることがよくわかった。とくに1回生は1人当たりにかかる時間が長かったので短時間で出来るよう練習し、懸垂下降時の待機時間を短くするように意識していきたい。

3日目 天候は良く、アタックをするのに最適であったにもかかわらず、山岳警備隊に止められ、アタックは中止。テント撤収をしてやむなく室堂に向かう。

急斜面で滑落停止の訓練をおこなった。表面が凍っていて滑りやすくなっていたため、実際の滑落状況に近い形で訓練が出来、滑落の怖さを少し体感することが出来た。

次に、荷物を背負った状態でのシール歩行を行なった。急斜面で表面が凍っていて上回生でも難しいようだった。前傾姿勢になってスキー板に後向きの力が加わってしまうと滑りやすく、1回生は先輩についてもらいながら頑張って歩いた。スキー板のエッジを上手くきかせて滑らないようにするコツを少しずつ掴んでいくことが出来た。

室堂平までクワガタをしてアイピン歩行で移動し、埋没者捜索・梱包・搬送訓練をした。ザックを背負っているところから捜索する訓練をした。リーダーとなる人がいかに的確に指示を出せるかが大事になってくることを実感した。

急な斜面で傷病者を搬送することの大変さ、協力することの大切さを学んだ。搬送中に梱包がずれて傷病者の頭が出てしまったり首が締まってしまったりした。皆で問題点の解決策を考え、相談し合い、実践することができたのは凄く良い機会となった。これについてはまだまだ課題があるので今後も熟慮と実践を重ね、より良い方法を見つけていけると良いと思う。

今回の合宿では、勉強会やアイピントレーニングで学んだ事を雪上で実際に行うことで更なる技術の習得、やりにくさなどを知ることが出来た。また、夏合宿とは違った動きを学ぶことが出来た。 1回生は準備・片付けにとても時間がかかってしまった。そのことをそれぞれが自覚・反省し、今後の合宿ではなるべく早く出来るようにしていこうと決心した。 先輩にこれが冬山だとは思わないでほしいと言われ、不安と頑張ろうと言う気持ちを抱きつつ、合宿を終えた。