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雪上訓練合宿

●山域:立山(富山県)

●日程:11月24日〜11月27日 2泊3日 移動日1日

●メンバー:(三回生)PL中山 (二回生)SL段ノ上 加藤 柿島 小峠 (一回生)長坂 南 野見 法蘓 *25日、26日は監督も参加

冬山班は、11月24日~11月27日の2泊3日を使い、富山県は立山にて雪上訓練合宿を行った。

1日目(移動日)

昼ごろ京都駅に集合。祝日の京都駅、おぞましいほどの人混みを、総重量30kgはあろうかという荷物を抱えてかき分ける。

迷惑極まりないが、許してほしい。なぜなら、多くの同志社大学生がEVE祭とやらにうつつを抜かしている間、われらワンダーフォーゲル部は極寒の雪山で訓練をするのだから。

先輩たちが言うには、去年の雪上訓練合宿は、人生で最も辛い経験となったそうだ。猛吹雪でテントは潰れ、残ったテントを守るために一日中ひたすら雪かきをしなければならなかったという。

恐ろしい経験談と重い荷物に不安が募る。

長い移動の末、富山駅でステーションビバークをした。ブラックラーメンを食べられたので機嫌は良かった。

2日目

風情あふれる地鉄で立山へと移動。不安をかき消す好天。勇ましい尾根の向こうから朝日が昇った。いよいよ合宿が始まる。

晴天の雪山の心地よい温度と、白、黒、青だけの美しい景色が広がる。荷物は重いが、休憩のたびに爽快な気分になる。

この日の訓練はスキーでの歩行と弱層テストを行った。

先輩たちの技術の正確性とスピードにはいつも驚かされるが、冬山班ではいっそうそれを感じた。

夕飯は鍋をした。冬山での夕飯は全て鍋だそうだが、極寒から解放されたテントでつつく鍋は毎度最高にうまいらしい。

3日目

一晩中雪が降っていたようだが、活動が始まってすぐに止み、柔らかな新雪と晴天での訓練となった。

この日はまず、スキー板にシールなるものを貼って歩行訓練を行なった。

シールを使うことできつめの傾斜も登ることが可能なのだが、足がもつれてつりそうになる。慣れるのに時間がかかりそうだ。また、ザックを背負って傾斜を滑走した時は、一回生4人全員が綺麗にこけた。これにもさらなる訓練が必要だろう。

埋没者捜索訓練や支点構築、懸垂下降などの訓練も行い、この日の活動を終えた。

埋没者捜索訓練の先輩たちのスピードには心底驚かされた。一回生の三倍ほどの速さで対象を安全に見つけ出す素晴らしいチームワークには憧れる。

この夜は、テントが壊れた際を想定しての簡易雪洞を設営し、僕と南がその中で一夜を越すこととなった。

幸い雪も降らず、冒険家気分も味わえた上にテントよりも広くて快適であった。良い思い出となった。

4日目

雪洞で快く目覚め、快晴の中最終日の訓練が始まった。

この日はこの合宿でもっともタフな訓練を行なった。雪崩発生時の対処の訓練として、埋没者捜索からそのまま負傷者をツェルトにくるんで安全に搬送するというものである。

班でもっとも重たいであろう柿島先輩を一切動けない負傷者に見立て、保温措置をした上でロープ等を使ってツェルトにくるみ、斜面と雪原の一帯を一回りして戻ってきた。

どの動作もできる最高速度でこなし、少しでも負傷者の生存確率を高めなくてはならない。戦争映画の衛生兵になった気分であった。

一人の人間を安全に数百メートル運ぶのにこれだけの技術と体力が必要なのか、と衝撃を受けた。

当初の不安とは裏腹に、予定通り合宿を終えることができたが、先輩曰く、去年の100分の1のきつさだったそうだ。そんなことはとても信じられないほど疲れていた。

美しい立山を眺めながらバスに乗って下山した。温泉やご飯を堪能し、無事に帰路に着いた。

今回の合宿は、初めての冬山での活動であったが、これからの活動と比べると強度の低いものだったかもしれない。その分、今回見つけた課題をこれからの活動にむけて解決し、さらなる技術や体力、精神力の向上に励まなくてはならない。

僕の場合は、準備や行動の遅さがもっとも大きな課題である。冬山ではそういった課題が一層命の危険に関わってくるため、意識して活動に取り組んでいきたい。

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