夏合宿 アメリカ
●シエラネバダ山脈(カリフォルニア州)
●日程:8月12日~8月29日 5泊6日(予備日2日)
●メンバー:<3回生>PL中山 <2回生>SL段ノ上 加藤 <1回生>長坂 南
夏合宿アメリカ班です!この合宿は主将である中山さんが半年前から企画し、長い準備期間を経て決行、そして無事に完遂することができました。その一部始終をご報告いたします。出発前夜に関西国際空港で集合したメンバーは、OBの中西さんにお見送りしていただきました。そして、いざ出発!しばらくの間は慣れ親しんだ母国語ともお別れです(笑)香港空港で乗り継ぎし、計15時間ほどかけてロサンゼルス国際空港に到着。日本とは違い、空気が乾燥しており、気温もちょうどよく過ごしやすいなと感じました。また、ヒスパニック系の人口が占める割合が多いせいか、いたるところでスペイン語を目にすることがありました。
13日(ホテルへ) 加藤
空港からバスでLA Union Station まで移動。その際バスがエンストするトラブルもあったが無事到着。そこから地下鉄でホテルの最寄り駅に移動。
ホテルでチェックインを済ましたあと携帯会社でsimの契約と昼飯をとりスーパーで合宿に持っていくレーションを購入。
その日はデリバリーで夕食を済まし就寝。
14日(装備買い)眞銅
サンタモニカのアウトドア用品店REIへ注文していた装備を受け取りに行きます。地下鉄でDowntown Santa Monica駅へ。用事を済ませたらサンタモニカを観光です。
その後ホテルに戻ったところで事件です。
なんと昼間、受け取るはずの品の半分をもらい損ねていたことが発覚したのです。つきましては誰かが取りに行かなければなりません。不運にもジャンケンに負けた僕はUberという民間タクシーに乗り単身再びサンタモニカへ。後々観光でこのUberを利用する機会が多かったため、その予行演習としては良い経験になりました。本当に便利なサービスですので、日本でも普及すれば良いなと思います。
15日(移動日) 長坂
高速バスに5時間乗ってVisaliaという街へ。
景色がみるみる変わり、禿山とだだっ広い農地が広がる田舎の景色が続く。それはそれでまさにアメリカという感じであった
Visaliaに到着。
日差しは刻み付けるようだが、雰囲気は最高の街であった。西部劇の舞台のようで、レンガ造りのウエスタンな建物が立ち並ぶ。
モーテルに到着。
エアコンが効くのに時間がかかるが、雰囲気が好きなので許す。
晩飯と買い出しへ。
専門店での本格的なハンバーガーを食べることができた。
甘辛のオリジナルソースは食べたことのない独特な味だが、絶妙なおいしさ。
root beerなるものも飲んだ。
アメリカの化学研究の結晶みたいな味で、美味しいが一歩間違えればまずい味だった。
スーパーの店内は必要以上に寒かった。
見たことのない味のモンスターエナジーが並ぶ。
翌日の朝ごはんを買うために行ったが、全く買いたいものがなかったため、サンドイッチ屋へ寄った。
店員さんがとても気さくでよかった。
あんな人になりたいと思った。
ホテルに帰り就寝。
しんどうはこれから一人行動だ。
未明ごろ、彼を見送った。
南と一緒にしんどうに50ドルを渡してサンフランシスコ土産をお願いしておいた。
16日(移動日、観光) 南
ベッドにチップを残しチェックアウト。
バス停まで徒歩で行きバスが来るのを30分ほど待ちました。朝日が出始めた頃で綺麗だったのを覚えています。六時半にもかかわらず街には割と人がいており仕事の準備やらをしていました。皆さん朝からテンションが高いです。街にはwall artが多い印象でした。
バスに乗り込み揺れに揺れながら登山口を目指します。進むうちに風景に変化が現れ始めました。街から荒野になっていき、朝焼けに照らされた山肌がくっきり見え、湖などが現れました。途中の休憩所では電波が入らなくなりいよいよといった感じでした。バスで一人の外国人女性と出会い、同じハイシエラトレイルを目指すということで交流もありました。この女性とは合宿中にも何度か出会うことになります。
まずは「セコイアの木」に到着なんとも大きく立派な木でした。ここでしばらく休憩した後シャーマン将軍の木をバスで目指しました。シャーマン将軍の木は世界一大きな木らしく、様々な国からの観光客も見受けられました。ここら一帯の木たちは皮が特殊で火事が起こっても焼けることもなく病気になることもないそうです。それがここまで大きくなった理由の一つと言えるでしょう。
17日(合宿1日目)
入山前に中国系アメリカ人のおばさんと少し話して、仲良くなった。
アメリカ人のコミュニケーション能力には本当に驚かされる。
彼女も同じhigh sierra trailを行くそうで、この後も何度か会うことになる。
入山の看板の前で彼女が快く写真を撮ってくださり、ついに合宿が始まった。
トレイルは道がきれいに整備されておりほとんど平坦だったが、問題は荷物だ。本当に重い。
これを担いで6日間歩くのか…と気持ちが少し暗くなる。
さらに、気温が非常に高い。疲れがいつも以上に早く感じられた。
しかし、それでもアメリカの景色はすごかった。
山を構成するものが日本と違う。
木はほとんど針葉樹だし、動物も見たことのないものばかり。尾根の付近には白くて歪な岩肌が続いているのが見える。
それらが織りなす景色は、どれも眼を見張るものばかりであった。
なんとかテント場の9 mile creekに到着。疲れ切ったみんなは思い思いの場所で昼寝をした。
ある程度疲れが抜けてからは、おきまりの大富豪。僕は、高山病の症状が出始めてはいたが、初めて大富豪になれて嬉しかった。
枯れた木を集め、焚き火もした。
アメリカのボーイスカウトで鍛えられたという中山さんの火起こし技術に皆で感嘆した。
ひとしきり遊び、ご飯を食べて眠りについた。
18日(合宿2日目)
この日は六時に起床です。気候ほんのり涼しく快適です。
まだ2日目ということもあって、行動時間は短く、ゆっくり景色を楽しみながら歩くことができました。それでもやはりザックの重さが肩と骨盤を苦しめてきます。山行中の日本とは違う、アメリカでしか見られないような皮の流れや岩肌などの壮大な景色が癒しになります。途中ハイシエラキャンプというところでダウンを多めにとりました。壮大な景色をバックに小屋が建てられています。小屋からはなんともアメリカらしいBGMが大音量で流れており素晴らしい朝を感じることができました。
そんなこんなで、今回のキャンプ地、ハミルトンレイクに到着。その景色はまさに圧巻でした。テレビでしか見たことのないレイアウトで、湖と山と空との調和が素晴らしく美しかったです。部員たちも皆少し冷たさを感じましたが湖に入り疲れを癒していました。
1日目もそうだったのですが、着いてからは結構時間があります。夕食まではみんなのんびりしています。こんなにも美しく広大な自然の中、日常とは距離をとった空間で物思いにふけるというのも良かったです。
19日(合宿3日目) 加藤
3時に起床、4時出発。
テン場のHamilton lake から険しい登りを行くと見ることの出来る綺麗な湖。
そこから更に進んだ先にあるハート型の湖。
そこからしばらく歩きHigh Sierra Trail から外れたとこにあるMoraine lake でテントを張り各々湖のほとりで時間を過ごし夕食をとって就寝。
20日(合宿4日目) 段ノ上
先日に続いての長時間行動で、疲れもたまり、行動中の会話も少なくなってきました。それでも、もくもくとトレイルを辿るのがワンゲルです。目的地の”junction meadow”では、川で水浴びが出来て非常に気持ちよかったです!
21日(合宿5日目) 長坂
この日もひたすら歩いた。
8時間弱。
時間とは関係なく、なぜか非常にしんどかった。
足の痛みに精神を削られ、度々先頭から引き離された
目的のguitar lakeには昼頃ついたが、翌日が非常に早いので、17時に就寝する。
実は標高3000m以上にあるこの湖にはきっと、緑などほとんどなく、ただギターの形をしてるだけなんじゃないかと、あまり期待していなかった。
しかし、実際は息を呑むほどの美しさであった。
なだらかな小川が広い草原をくねくねと這い、美しい湖へと続いて行く
その光景はさながらジブリ映画の舞台のようであった。たしかハウルの動く城で似たような場所が登場した気もする。
就寝に間に合うよう、冷たい水で足をマッサージし、スパゲティを食べた。
明日はいよいよホイットニー登頂である。
高山病になりやすい自分にとっては、期待よりも恐怖が大きい。
22日(合宿6日目) 中山
いよいよホイットニー山登頂の日である。私(中山)にとっては、今までの3年間の前期活動の集大成であり、このために半年以上準備をしてきた。朝1時に起床。朝食を済ませ、いよいよ出発。まだ周りは暗くヘッドライトの光以外何も見えない。1時間ほど歩くと今合宿最後の登りが始まった。これを登りきるとやっとホイットニーだと思うとワクワクが止まらない。途中トレイルクレストでダウンと取り、再出発。このあたりから、4000m級の厳しさを思い知らされる。フリースとダウン、軍手をしてもまだまだ寒い。まるで冬山にいるかのようだった。ここまでくるとあと少し。少しするとホイットニーが見えてきた。日が昇り始め、心の中で少し焦りがあったがホイットニーはもうすぐそこだ。やっとのことで山頂に着くとそこには日本の山のように山頂標識はなかったものの、石でできた山小屋があった。
少しすると日が昇ってき、一同でしばらく眺めていた。6日間かけて100km以上歩いてきたと思うと大きな達成感あった。また、今まで日本で見てきた山容とは全くちがうことに改めて感動した。山頂では合計で一時間ほど過ごしいよいよ下山である。”99 Switch back”とあるように99回も折り返しがあり、目的地まではまだ10km以上あった。今合宿のメインは達成できたものの下山するまでは気が抜けない。改めて気を引き締めて下山し、思ったよりも長くかかったがやっとキャンプ場に到着した。下山すると、売店があったので皆で見るからにアメリカンなハンバーガーを食べ、一週間分の疲れを癒した。
23日(合宿7日目) 中山
この日は予備日であったためキャンプ場で皆が思い思いの時間を過ごした。読書する人もいれば売店でまたアメリカンなバーガーを食べる人もいた。ホイットニー山のすぐ麓のキャンプ場でゆっくりとした時間を過ごすことができた。
24日(合宿8日目)
この日はいよいよキャンプ地から下界に降りる日です。
キャプテンが手配してくれたタクシーに乗り込みいざ出発。振り返ってみると長く苦しかったようであっという間だった夏合宿、感慨深いものがあります。40分かけてマクドナルドへ、そこで朝食をとります。電波もつながり、安定した食事もある、なんだか一気に現実に戻されたような気がしました。下から見る山脈も圧巻です。
そこからバスでランカスターという所へ、ついたら電車を二回乗り換えます。いよいよ、一週間ぶりのホテルに到着です。ほっとしたのも束の間、この後のご褒美のためにすぐさまシャワーを浴び、自分が持ってきたできる限りフォーマルな服に着替えます。そうです、いいとこのステーキを食べに行くのです。
店に入るとなんだか薄暗くシックな雰囲気が漂っています。まさに大人の店といった感じ。
みんな少し緊張しながらも注文です。ステーキはとても絶品で焼き加減、サイズ、全てがちょうどよく合宿の疲れが一気に取れていくようでした。お値段は一人60ドル程度、チップを渡し、写真を撮ってもらい退出です。ごちそうさまでした。
まだお楽しみは続きます。現地のカットで大変貌を遂げた眞銅と合流しグリフィス天文台へ!ララランドの舞台だけあって人が多かったです。日本人の姿もちらほらと。澄んだ空に輝く星とロサンゼルスの夜景のコラボが素晴らしかったです。
帰りはすっかりおなじみになったウーバーでホテルへ。今夜はみんなぐっすりです。
25日(観光) 加藤
朝早く起きるとLACMAという美術館を訪れた。
現代芸術やピカソの絵画といった作品を間近で観ることの出来る貴重な機会であった。
夕方に電車でAnaheimに向かい、そこを本拠地とするエンジェルスとヒューストン・アストロズとのメジャーリーグの試合を観戦した。
名だたる有名選手の中で活躍する大谷翔平選手をこの目でみて大きな刺激を貰うことが出来た。運良く彼の第14号ホームランを見ることも出来た。
26日(観光) 加藤
本当は今日も全員で美術館に行く予定だったが、一回生だけが行くことに。
今日の美術館は無料で、日本人の作品なども見ることができ、しゃれたシャツも買えたので嬉しかった。
その後はものすごく賑やかな市場で、もはや数え切れないほど食べたハンバーガーをまた食べた。流石に飽きていたと思う。
買い物をしていた先輩たちと合流し、ハリウッドへ。
ハリウッドは、色々あるが、見るものは特にないという変な場所であった。ただ、映画好きとしては一度は行きたい場所だったので雰囲気だけでも楽しかった。次来るときは映画スタジオのツアーにでも参加しようと思う。
疲れがたまっていたため、早めにホテルへ。
最後の晩餐には、近くの韓国料理店を選んだ。
適当に頼んだら全て辛いもので、皆汗だくになりながら完食した。
パッキングはほとんどしてあったので、思い出を語らいながら就寝した。
ロサンゼルス空港〜日本
さて、いよいよ帰国の日になりました。 部員には、まだ帰りたくないという人ややっと日本だ!という人、様々ですが、皆元気な様子を見せてくれています。電車に乗りバスに乗り15時間フライトが始まります。香港では6時間時間があるので街に出てご飯を食べに行きました。ほのかに感じるアジアの雰囲気、湿気など、帰国の実感が湧いてきます。久々に飲むお茶や、食べ慣れた料理に全員大満足でした。空港に戻り3時間のフライトの後、29日、早朝6時の日本に帰国です。耳に聞こえてくる日本語や吸い慣れた匂いに安心感を覚えました。ここで部員とは解散。約二週間の旅が終わりになります。
この二週間思い返すと色々なことがありました。数え切れないほどに。部員一人ひとりが心身ともに成長できた密度の濃い二週間だったと思います。秋からはまたいつも通り冬に向けて練習や合宿が始まります。この合宿をゴールだと思わずに、次のステップへの糧にすることが重要だと思います。一年生はまだ入部して半年、至らない所、助けてもらう所がたくさんあります。そういった面も秋、冬を通して成長できたらと思います。
とにもかくにも、みなさん合宿本当にお疲れ様でした。
そして、今回の合宿の管理、食事面、交通面など、何から何までお世話になったキャプテンに心より感謝申し上げます。ありがとうございました。
"The Mountains are calling and I must go"
-John Muir